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ミモザのアメリカ言いたい放題!

米国情勢下のダブルエコライフ

日本人には絶対不可能な正真正銘のナチュラルライフとは

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知り合いの家族。母親は北欧系アメリカ人。父親はポーランド&オランダ系アメリカ人。そのためか家族全員スリムで長身で美形。愛がたくさんある家族。でもそこには・・・驚くような秘密があるのだ。

わたしたち夫婦は先週末に隣町の知り合いの家に招かれた。

2週間前に葡萄がなり過ぎたので、取りに来てもらった家族だ。

始めて裏庭の果樹を見て、建築中のわらのサンルームを見て、一気に”同志意識“が高まったようだ。そのため、よりお近づきになりたいと思ったのか随分しつこく誘われた。

それで、そんなに勧めるならと、行ってみることにした。

 

家は普通の住宅街にあったが、その割には庭は結構広かった。中に入ると、さっそく貼りなおしたばかりのダイニングルームの床のお披露目があった。しかし新しいはずの床は無垢色ということもあり既にかなり汚れが目立っていた。自然派なのでワックスを塗っただけの床を5人の子供たちが徘徊しているのだが、そこには、スニーカーをはいている子供、はだしの子供、靴下だけをはいている子供、ブーツをはいている子供と様々だった。

念の為に付け加えておくが、アメリカは、通常家の中でも靴を履いたままだ。

でも靴を脱ぎたい人もいるので、靴を履いている人と履かない人が同じ床を歩くことになる。

よって床は汚い。靴下も汚い。

はっきり言って床など貼りなおさなくてもよかったのだ。

どこから見ても新品には見えない。

 

食事のテーブルもベトベトしていて黒ずんでいる。

最後に拭いたのはいつかしら???

当然食物をテーブルに移す前もテーブルを拭く気配はない。

誰も食事の前に手も洗わない。

この日に限ったことではないらしい。

 

食事の残り物はそのままテーブルに2時間も出たままで、食事の後片付けを手伝う気配はない。五人の子供たちの一番上は高校一年生の女の子。片づけを言われなくてもできる年齢。でも片づけない。残りの子供たちも一番下を抜かせば全員女の子。だれも片づけるなんてしないので、わたしがやろうとしたが、しなくていいと言われた。でもなんか危険じゃあない?

いや~。この家族にそんな危険なものなんて存在しないのだ。

腐敗はごくナチュラルなプロセス。細菌も極めてナチュラルな生き物。

 

庭には鶏小屋もある。

子供たちはメンドリをペットのようにずっと抱きかかえながら、庭になっているラズベリーなどを摘まみ食いしていた。

おえ~~~。

 

一番下の3歳の息子は白い靴下のままで糞が落ちているぬかるみでも意気揚々と、泥を跳ね返しながら飛びまわっていた。

お姉ちゃんたちも裸足でまさにジャングルのターザンそのもの。

当然雨が降ったあとだから泥で足が真っ黒になった。

ブーツをはいていた次女も泥がブーツについたまま、メンドリの糞が付いたままで家の中に戻ってきた。そしてそのブーツを脱ぐとか頭にも浮かばないようで、そのまま家中をウロウロしていた。当然ニワトリを触った手はそのままで、親も子供も手を洗わない。

でもね~鶏の糞に含まれているバイ菌って超危険なんですよ!!!

 バイ菌で病気になるし、死ぬ人だっている!

恐怖のバクテリア名を聞いたことがないとは言わせない。

ちなみに父親は医者だよ(脳だけど)!医学部出身者は微生物学とか取るでしょうが!

 

こういう世にも恐ろしい鶏につく菌の数々を知らないのだろうか?

例えば・・・

  1. Salmonella サルモネラ菌
  2. Campylobacter カンピロバクター菌
  3. Listeria リステリア菌
  4. Campylolacter カンピロカクター菌
  5. E. coli 病原性大腸菌!!

 

 いかにも菌の名前って感じでしょ?

 

でも母親も父親も何も気にせず笑っていた。

殺菌用のウェットテイッシュなど全く登場しなかった。

 

究極のナチュラルライフそのものだよ!!!

石鹸で手を洗うなんて持ってのほか。

だって、自然じゃないでしょ?

 

そういえばハロウィーンでもらったグミを見事全部地面に落とし、汚れも取らずに食べている子供がいた。隣に父親がついていたが、彼が笑いながら言った言葉は、「免疫力の増進になるな~」のみ。絶句。

 

夫の実家には雑巾らしきものがある。でも食卓を拭くのも、床を拭くのも、まな板を拭くのも全部同じ雑巾。それだけではない。

この雑巾はめったに洗われることがない!

夫も食事の前に手なんか洗わない。食卓も拭かないし、菌なんて語彙は彼の(家族の)辞書にはないし、話題にあがることも皆無だ。

 

これで病気にならないアメリカ人って体がよっぽど強いのね。

免疫力が生半可じゃあないのね。

やっぱりそういう環境にいれば、体も慣れてくるのかしら。

それとももともとそういう体質なのか。

とっても不思議でたまらない。

 

でもこれがアメリカのナチュラル志向の人の典型なのだ。

日本ではナチュラル志向というと、ナチュラルなシャンプーとかナチュラル素材の家具とかオーガニックの野菜を買うとか、ほとんどは極めて清潔で自分の手を汚さないナチュラルライフのイメージだが、ここはそれを通り越えたレベルなのだ。

ちなみに、この家のメンドリが歳をとって卵を産まなくなると、家族でメンドリの頭を包丁でちょん切り体は熱湯につけて、羽をむしり、そのあとみんなで食べちゃうのです。

 

いくらナチュラルが、自然が、好きといっても、こういうのはちょっと・・・。

動物を殺すのも不可能。

菌の話に戻るけど、やっぱり菌がどうのってスケールの小さい事を言っている自分はやっぱり日本人だからか。

小さな島国の人間だから見えない菌などでごねているのか?

ただどうも菌がうようよしているのが想像できちゃうのです。

 

だいたい日本の殆どは高湿温暖のため、アメリカ人みたいな生活をすると一気にコレラとかに罹りそうだ。

反対に彼らは、ここの空気が乾燥しているから「菌」など頭にも浮かばないのであろう。

それからやっぱりこういうおおざっぱさは大陸文化を実に象徴していると思う。

 

で、結局私はそのお蔭か具合が悪くなってきた。

鶏と汚い家の菌にやられたのかもと疑ってかかっている。

 

ナチュラルライフを目指しているけど、こういうのははっきり言って絶対無理なのだ。

でも正真正銘のれっきとしたナチュラルライフって最低この位のレベルを指すのだと思う。

と、こんなことをいっているけど・・・

実は我が家にはネズミを捕らえる猫がいる。トキソプラズマ症というのもあるし、過度の接触は危険。でもあまりにも可愛くてそんな警告は当然無視している。

だからきっと知り合いのメンドリだってうちの猫と同じようなものだ。

ということは、都合のいいナチュラル主義だから知り合いのメンドリや不衛生さを、どーのこーのと裁く資格は自分にはゼロかもしれない。

 

それにお邪魔した家の子供たちは、みんなおおらかで幸せそうで素直で実に可愛い子供たちだった。小言を言われっぱなしで萎縮してしまうより菌と仲良く共存できる能力の方が大切かもしれない。

 

 

 

 

イラスト:MCL