北米は、世界の75%の資源を消費している。
それは市民の日々の暮らしの中に見事に現れている。
例えば、
冬でも家の中ではTシャツ1枚で、半ズボンで、裸足。
これが普通。
なぜ冬の真っ最中にこんな格好でいられるのか。
その答えは
全ての部屋にガンガンに暖房がきいているからだ。
その電気代は、最低一ヶ月600ドル(6万円ちょっと)。
より面積があれば当然もっとかかる。
夏は日本人からすると全く夏のうちになど入らず、
冷房など絶対必要ない!と思うのだが、
どの店も、会社も、家もガンガンにきいている。
彼らは常に快適でないと我慢ができないのだ。
(彼らの体温は本当に日本人より高い!理由は肉食?はたまたメタボ体型?)
けれども、
こんなに電気代がかかってもあまり気にしている様子はない。
エネルギー源が消えることについては
「誰かが代替品を探してくれるでしょ」とかなり楽観的だ。
環境のためにも資源保護のためにもエネルギー消費を自粛するように等という国からのおふれなども耳にしたことがない。EPA(環境保護庁)勤務の人でさえ実施しているかは謎。人に命令しても自分がするかと言うとそればアメリカに関しては別物。
福島の原発事故の後に、この自粛のおふれが日本全国に出て、国民は素直に従ったと聞いた。果たして同じことが起きてアメリカ人は従うだろうか?
アメリカ人は、「他の人が自粛すればいい」という自己中な考え方の人が多いため、絶対にこのゴールは達成できないはずだ。
多分無視するはず。
こういうところがアメリカのイヤなところだ。
自分さえよければいいという。
そしてこういう面が日本人の美点であると思うのだ。
つまり民が一致団結していつでも協力体制に入ることを厭わないという点だ。
では我が家はどうかというと、
このようなアメリカの大多数派を無視して、とことん足並みを合わせないようにしている。
資源保護だけのためではなく、節約のためにもエネルギー消費量を減らすように努力している。
今回は寒い冬の電気代を浮かすためにしていることをご紹介したい。
我が家ではこれをWinterizing (家を冬に適応させる)と呼ぶ。
つまり、冬ごもり準備だ。
ここは冬が長いため、その名の通り、その間ずっと家の中にこもって過ごす。
家とは極寒地では避難所であり癒しのための巣なのだ。
その巣は当然暖かく心地よくないといけない。
それもお金をなるべくかけないで。
そのために
最初にすることは、
- 全ての窓にプラスチックシートを貼った自家製の枠をはめ込むこと。これで外からの冷気をシャットアウトする。
- その上に厚手のカーテンをかける。
その上からもう1枚カーテンをかける。
北側の窓には枠の上からカーテンを3枚から4枚重ねがけする。(なんで北側に大きな窓がいくつもあるんじゃ?理解不可能。アメリカの家は効率より美観を一番にしているからだと思う。)
- 南のサンルームは暖房が入らないだけでなく、窓だらけでやたらと寒い。
そのためストローベール(わらの俵)を天井近くまで重ねて部屋の熱が逃げないようにする。ちなみにこのわらは一俵3ドル(30円)だけ。農家から分けてもらった。
- それから、暖炉にくべる薪を切る。ちなみに薪にする木は我が家の庭で切り倒したものや家の改造から出た余り板。斧を上手に使うのは結構コツがいる。
- カートに切った薪や板を入れる。
- 家の中に薪を運び入れ暖炉に入れて火をつける。(隠れているが、暖炉の横にロープが吊るしてあり洗濯物をかけている。アメリカ人は洗濯物は全部乾燥機で乾かすのが常だが我が家は別。)
うお〜!
あったかい!
これでも寒いと文句を言う家人には、
重ね着しい〜〜!
靴下も重ねばきしい〜!。
帽子もかぶり〜!
マフラーしい〜!
上着もじゃ〜!
と
絶対に引くつもりはない。
それでも苦情が続くなら、
その辺を走ってこ〜い!
薪でも切ってこ〜い!
とでも言えば
これで全員黙る。
このような努力の甲斐あり、
我が家の冬季の電気代は、
一ヶ月約$250(約2万7千円)だ。
この辺の人の電気代に比べるとかなり安い方に入る。
でもこれでも随分高い!と感じている。
よって、どうやったらもっと安くできるかを現在検討中。
暖房のシステムだが、
家の中の気温は摂氏で18度(華氏65度)にセットしてある。アメリカは水のパイプが家中に通っていて、家の中の温度が低すぎる(最低約摂氏5度)とこのパイプが破裂することになるので、あまり温度を低くはできない。とりあえずセントラルヒーテイングのシステムも入っているので、暖炉に火が灯っていない時でも、18度を下ると、自動的に暖房が入るシステムになっている。
こんな風に暮らしているので、引っ越してきたばかりの時、夏は近所の子供達が遊びにきていたが、冬に一度来てからと言うものもう二度と来なくなった。
彼らに言わせると、
うちはすごーく変な家らしい。
ズバリ
あたりです。