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ミモザのアメリカ言いたい放題!

米国情勢下のダブルエコライフ

「人間万事塞翁が馬」で生きると楽に生きれる

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草を食べる草原の馬。(出典:https://www.tutitatu.com/

昨日、長男の会社から社員全員1週間の休暇を取るようにとのお触れが出た。

これは有給?

いや、せっかくの貴重な有給休暇を家でダラダラ過ごすのは勿体無い。

かといって外出ほぼ禁止状態ではどこにも行けない。

それなら何ができるのだろうか?

 

やっぱりこれは無給にちがいない。

Ouch! (痛!)

 

長男の勤務する会社は大手自動車メーカーのサプライヤーである。

彼はそこの営業部でコスト分析の仕事を担当している。

ところが、現在、全メーカーの生産ラインが既に停止している。

よって注文はゼロ。だからはっきりいって仕事がない!

ということは会社は大赤字で経営困難ということ!

 

それなのに本人はのほほんとして笑っていた。

人間万事塞翁が馬だそうだ。

Que sera sera.

Whatever will be, will be.

 

なるほど。

極意だなあ〜

確かに今こそがそのような心の持ち方が大事な時であるかもしれない。

 

「人間万事塞翁(さいおう)が馬」

とは有名な中国の故事成語で、このようなエピソードから生まれた。

 

昔、中国の北方に一人の老人がいた。
ある日、その老人の馬が逃げてしまった。気の毒に思った近所の人たちは老人を慰めにきた。ところが老人は
「このことが幸福にならないとも限らない」
と言ったではないか。

すると、しばらく経ったある日、逃げた馬がたくさんの馬を引き連れて帰ってきたのでだ。近所の人たちはお祝いを言いにきたが、老人は意外にも
「このことが災いにならないとも限らない」
と言った。

そしてその言葉通り、老人の息子はその馬から落ちて足の骨を折ってしまった。慰めようとする近所の人たちに対し、老人は再び言った。
「このことが幸福にならないとも限らない」

やがて隣国が攻め込んできた。全ての若者は戦争に駆り出されてしまい、ほとんどが命を落とした。しかし足を負傷していた老人の息子は戦争に行かずに済み、命が助かったのだ。

 

解釈

塞翁とは中国北部にいた老人のことを指し

「人間万事塞翁が馬」の意味は

「禍福というのはまったく予想できないもの。」

 

もっとわかりやすく説くならこういうことになる。

人生の幸不幸や苦悩は変転するものであり、人間の予想や思惑通りには行かないことが多い。不幸だと思ってもそれが幸福につながることもある。幸福だと思っても不幸につながることもある。だから人生何が不幸で何が幸福かはわからない。

よって、人生には上り坂も下り坂もあるということを常に心得ていることは大切。

それでなければ目先の出来事や問題に一喜一憂してしまい、心の安定を図ることが困難になってしまうのだ。

 

私は4歳に孤児になってしまった。世間の常識から行くと、それは不幸以外の何物でもない。けれども後々不幸になったかというとそうでもない。それに、親になってもっと不幸になったような気がする。でもそれも一見不幸のように見えるが、実は違うのかもしれない。それはこれから何が起こるかもわからないからだ。

 

英国のハリー王子と結婚したメーガン妃も当初は天にも登るような気持ちだったことだろう。けれどもその後は王室の伝統やしきたりに馴染めず、悪質な噂やいじめにも逢い苦労を重ねることになる。耐えられなくなった彼女は夫を連れて王室を出てカナダに移ってしまった。今後は米国に移り住むようなことも聞いている。彼女はこれからは絶対に幸せな人生を生きれると信じているはずだ。しかし本当に何が起きるかは誰にもわからない。噂は止まないだろうし、彼女は良くても夫はアメリカで幸せになれないかもしれない。それは誰にもわからない。人生とは確実な予測をつけることができないものなのだ。彼らはただ現状を受け入れながらこれからの人生が上がり坂になることだけを期待して生きている。

そして状況に多少差異があってもわたしたちも同じように生きているのではないだろうか。現在のパンデミック状況にもいずれは終止符が打たれ世の中が上がり坂になる日がやってくる。それを静かな気持ちで待つしかない。

 

時は常に移り変わり、今後の展開は誰にもわからない。だからただ今を生きるしかないのだ。今はこれでいい、悪くもよくもない、という腹に落ちた考え方、つまり肝が座った考え方は、どんな状況をも乗り越えることを可能にしてくれるはずにちがいない。

人生は上がったり下がったりが常で、現に長い歴史を見てみればその事はたやすく理解できるはず。ということはいつか必ず現状を打破することも可能ということになる。

歴史の中の先人も例外なく度重なる不幸に見舞われてもそこから必死に這い上がって成功を収めてきたではないか。

だから、

 「人間万事塞翁が馬で生きる」を心に深く刻み、現状がたとえ下り坂でも、それを幸とも不幸とも決めつけずに、淡々と乗り越える。それが楽に生きるコツかもしれない。

イラスト:MCL