朝明に誰もいない自然の中を散歩することが好きだ。
もっともこんなに朝早く起きられればの話だが。
このとき
空の大部分はまだなんとなく暗く
夜が完全に開けていないことがわかる。
けれども新しい一日が始まっていることもわかる。
少しずつ暗闇は過ぎ去り光が取り戻されていく。
それと同時に心の中の暗闇も光に押されて消えていくようだ。
昨晩の涙を一掃してくれるかのごとく
朝の露がしっとりと空気を満たしていく。
そしてその霧が胸をいっぱいにしてくれ
心は希望という名前の見えない姿の
温もりで包み込まれていく。
朝という不思議な時間は英気を与えてくれる。
自然は心の一番の処方箋で
年齢や性別や裕福であるかないかにかかわらずすべての人に平等に与えられている。
ただそこにいてくれて静かに何かを語ってくれている。
自分が今必要としている答えを用意してくれることも多い。
洗浄剤であり鎮静剤であり親友とも呼べる。
その中でも一番の親友は朝早くに好んで訪れることが多いようだ。