最近アメリカでは都会から離れる人が増えてきた。
コロナの自粛令のおかげで在宅勤務が普通になったために、職場の近くに住むことが必要ではなくなってきたからだ。
それに都会はコロナ菌に侵されやすい。
その反対に田舎はそのケースは少ない。
現に自分の住む村にコロナに感染した人は全くいない。
ニュースは、一度落ちた感染数も日に日と上がっていると報道している。
でも感染者は果たして一体どこかいな?
田舎に住んでいると、町で起きていることが外国の話のような錯覚を覚える。
田舎はこの必殺コロナ菌がないだけでない。
空気が綺麗で静かだ。
もっとも在宅の人が増えてからは、町も以前より空気は洗浄され確かに静かだ。
それでも田舎と同じようにはならない。
町からここに移ってきたばかりのときは
「なんと静か!」と感動していた。
ところが、もっと静かなところがあるということに気がついた。
最近、うちの10エーカーの畑に行ってきた。
自宅から車で20分ほどのところにある。
プーさんの森は100エーカーある。でもうちの畑はそれの1割だけ。
後ろの方に雑木林があるが、それ以外はアメリカの中西部によくあるオープンフィールドだ。
え?ミモザさんっちってこんな大きな畑もあるの?
はい。
でもこんな馬鹿でかい農地を耕す時間がない。
だから今はこのへんの農家に貸している。
この畑に夫と娘と一緒に、家の壁に使用する農地の粘土質の土を取りに行った。
(改造中の部屋の壁は土壁!)
シャベルの音以外に聞こえるものはない。
本当に何も聞こえない!
自動車の音も鳥や虫の鳴き声もしない。
もし聞こえるとしたら、
風に揺れる微かなトウモロコシの穂だけに違いない。
でもそれも思いっきり耳を済ませなければ聞こえない。
シャベルを動かしながら娘がこんなことを口走った。
I feel so spiritual!
(霊性をすっごく感じる!)
つまり娘の言わんとしていることは
自然の力によって心が洗われて静かになった状態になると
自分の魂の声、つまり本当の声が聞こえてくる。
自分と自分の心が一体になる感じ。
という事だと思う。
1ダースのバケツも一杯になり
その後トウモロコシの間を裸足で散歩してみた。
静けさの中で
頭が空っぽになっていくに従って
心が満たされていく。
幸せ。
太陽と澄んだ空気と清らかな水と大地とトウモロコシと心臓の鼓動。
これ以上に素晴らしいものってあるのだろうか?
田舎にたくさんの言葉はいらない。
自然には何も勝つものはない。
そして自然から学ぶことは限りない。
全てはそこから始まるのではないだろうか。