ずいぶん前に作った。
夫が子供たちと一緒に作った風鈴。
雰囲気だけは頑丈。
でも一年中風に吹かれてかなり老朽してまった。
地面に落とされて(適当に😅)修復すること数十回。
だから
名付けてワビサビ風鈴。
これは日本の美しい風鈴とは比べものにならない。
完全な美からは程遠い。
それでもこの風鈴の奏でる美しい音色はより洗練された芸術家の作る風鈴と変わりはない。
かなりごつい感じ。
不完全で簡素極まりない。
それでもそこに美が見える。
そういう美とは、静かな美。
不完全な美がそこにある。
「不足によってこそ、完全や満足という物ではあらわせないことが出現するとみなす。不足をいかに美しくするかということによって、人々の中に満足の美というものを感じさせるのです。「枕草子」はそれを「小さきもの」と言いました。イサムノグチは「不完全こそが美だ」と言いました。」
-松岡正剛「神仏たちの秘密」P85
完全でなくてもそこにある美しさを認めると
見えてくるものがたくさんある。
自分の人生も不足分が多い。
でも、その中に美しさがある。
そもそも完全な人はいない。
完全なものもあるようでない。
だから今ある不足の中に満足し、
その中に美しさを見つけるのが幸福の鍵。
そして不完全の中の美こそが実は深遠な美であり永久の美であると気づくことができる。
ものは全て老朽化する。
人も同じ。
自然もそう。
でもその中に美が見える。
小さきものの中に美が顔を覗かせる。
悲しみと苦しみの中にも美が存在する。
それを見つけるのが生きる醍醐味かもしれない。