先日の夕方
不思議な光景に出会った。
木のてっぺんだけが鮮やかな黄色になっていた。
そこだけが紅葉が始まったというわけではない。
光の操作によって
色が変わって見えるのだ。
じっと耳を済ませてみると
コオロギの鳴き声も以前より大きくなってきたと感じる。
空も少し高くなったよう。
庭のカエデの木の葉もすでに色が変わり始めている。
そうだ。
すでに秋に向かっているのだ。
芝生の上に裸足で降りて
橙色の枯葉を優しく触ってみる。
アン女王様のレースという名の野生の花も撫でてみる。
すると粉雪のような白い花びらが花粉と一緒に飛んでいった。
体が草や葉に触れる感じ。
風が体を触っていく感じ。
顔を照らす落陽の暖かさの感じ。
耳を済まさないと聞こえないほどの小さな音と自分の肌の感触だけがそこにある。
”マインドフルネス”な生き方とは
小さな感覚を心に留めて大切にするということ。
それを忘れずに生活することが
幸せにつながるのではないだろうか。
変動する社会とそれに振り回される人間の様。
どれもむなしい。