アメリカ中の全スーパーで怖いことが起きている。
今週の始め頃までは、入り口で従業員から「入っていいですよ」と言われない限りは店に入れないというシステムが導入されていた。人と人との距離を取るための措置だった。
顧客が一人出るごとに一人入るというシステムだ。このため、大したことのない買い物でも、店の周りを一周するほどの人が並び、ただひたすら待つこと2時間。
で、いざ店に入っても品切れが多かった。
さて、昨日の話。
買い物は1週間ほどまえから店のオンラインマーケットで予約し、取りにいく日時を指定するというシステムが新規に採用された。ついでに量も決まっていて、たくさん買わせてくれない。アボカドを注文したが3人家族で4個まで。それだけ〜?ケチ!
それで早速注文したが、ああ、あれを忘れた、これを忘れたと後で気がついた。
でももう遅し。
車で5分のところにある店なのに1週間前から予約するなんてね〜。
それになんでも好きなだけ買えるわけでもない。
嘘みたいな話。
ん?
これってなんか聞いたことある。
戦時中の配給制度?
はたまたソ連時代の物不足?
アメリカもとうとう共産国になったか。
失業
アメリカは失業者数が増加する一方で現在千7百万人にも登っている。
実は先週から、他州で仕事をしている娘のボーイフレンドから全く連絡が来なくなった。
この時勢、もしかして仕事が首になったのかもしれない。
彼はベンチャーキャピタルという投資関係の企業に勤務しているが、去年の春に大学を卒業し雇われたばかりなので景気が悪くなると最初の犠牲者になりやすい。
きっと敗北を感じてガールフレンドどころではなくなったのだろう。
何もしないわけにいかないけど、同業者は皆同じ運命なので、他の業界を当たるしかない。食品業界、つまりスーパーなら人が足りないこともあり雇ってもらえる確率は高い。
いや彼のような(優秀でポジテイブで自信に溢れる)男性がスーパーで働くなんてプライドが許さないに決まっている。でもこんな時勢でプライドなんて気にしている場合ではない。
だとしても、やっぱり
恋人には言えないだろう。
それに女性どころではない。自分の生活を、人生をまずどうにかしないといけないのだ。
だから連絡が来ないのでは、というのが親の憶測なのだが、
実際十分あり得そうな話だ。
アメリカ全土で、2020年春の卒業生中、採用が決定していた学生の25%に採用取り消しの通知が来た。インターンシップも多数が取りやめになった。
最悪の時勢に世に旅たちを余儀なくする卒業生は頭を抱えている。
娘の業界も現在凍結状態でいつ回復するか未定。
去年のフリーランスの仕事のお給料も支払ってもらっていない(何千ドルもある)。
娘は先行きが暗いので結婚話というプランBを検討していたけれど、
将来性のありそうだった彼氏も解雇でそれどころではなくなった。
ひきこもり生活が長引きそうである。